地下タンク点検
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地下タンク定期点検
タンク内の油を抜き取って行う方法
ガス加圧法
タンク内の残油を一時的にタンクローリーに移動して、タンクを空の状態にして本体と送油埋設配管を密閉します。その中に窒素ガスを封入し、15分の静圧時間をとった後に15分間の圧力変動を測定します。
通常、20kPaまで加圧しますが、地下水がある場合は、地下水位の高さを考慮して適切な圧力で点検を実施します。
タンク容量が10kリットルを超える場合は、タンクの大きさに応じて測定時間が長くなります。なお、タンクに残油がないので、清掃を兼ねて行うことができます。
液体加圧法
点検方法は加圧法と同じですが、窒素ガスの代わりに水を封入して行います。
タンク内に油を残した状態で行う方法
微加圧法
タンク内の油を残したままで加圧法同様に本体と送油埋設配管に窒素ガスを封入します。
加圧法と違うのは、窒素ガスの圧力が2kPaと低圧で行うことです。
微減圧法
タンク内を2k~10kPaに減圧した後、30分間以上の圧力変動を測定します。
また液相部は、別な点検方法で測定する必要があります。
タンク容量が20k~100kリットル未満であれば、測定時間が60分以上となります。
液相部の点検方法
地下水位が液相部より高い場合又は地下水が無い場合に聴音点検を実施して漏洩を確認します。
聴音検査
液相部に高性能マイクロフォンを設置し、減圧後にタンク外部から浸入する気泡の音を検知し、6分間測定します。
地下水位が液相部より低い場合は、聴音検査と合わせて次の水位検査を行います。
水位検査
液相部に高性能水位センサーを設置し、減圧後にタンク外部から浸入する地下水の水位を検知し、80分間の水位変動を測定します。
タンク容量が30k~100kリットルの場合は、120分間の測定が必要です。
点検の実際
点検では、地下タンクの貯油状態に応じて行います。
ここでは油が残った状態で実施する、微加圧法により点検を紹介します。
①事前の油残量と地下水位の確認
可燃性ガスや帯油の有無を調査した後、
点検する箇所全ての開口部を密閉します。
通気管の密閉とセンサー取付
②気相部の点検
圧力センサーをセットして窒素ガスを封入します。コンピューター試験器で30分間測定を行い、コンピューターによる自動判定と試験状況を総合して漏洩を判定します。
2kPaで加圧した後、測定を開始
③液相部の点検
聴音検査や水位検査を行い、コンピューターによる自動判定と試験状況を総合して漏洩を判定します。
高性能水位センサーによる水位測定
④試験装置の撤去と復旧作業
設置した試験装置と測定センサーを取り外し、元の状態に戻して点検を終了します。
最後に給油状態を確認